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昔むかし 自分がまだピカピカの新入社員だった頃の話です。

当時はベイスターズの私設応援団のナンバー2として

君臨していました。

 

会社は渋谷の公園通り沿いにありました。

ある日上司と代々木の岸体育館まで打ち合わせに同行しました。

近いので徒歩です。

 

運悪く代々木体育館の辺りで何かイベントをやっていて

混雑していました。

ダフ屋も大勢出没しています。

 

私設応援団とダフ屋とは持ちつ持たれずの関係で顔見知りです。

自分の顔を見つけると皆挨拶してきます。

 

その毎に目で「今は近寄って来るな!」と合図するのですが、

ダフ屋は下品な服装しているくせに妙に礼儀正しいので

困ります。

 

「お疲れ様っス。」「ご苦労様っス。」「ちわっス。」と

挨拶され続きです。

 

とうとう一緒に歩いていた上司から

「何だかダフ屋が皆んなお前に挨拶してないか?」

と言われ。

「えっ そんな訳ないですよ」と答えましたが、

納得してもらえませんでした。

 

希望に燃える純情な新入社員のイメージが

崩れ去りました。

 

その後 野球場以外で自分を見かけても

絶対挨拶しないように通達しました。

 

本当は野球以外でも マイケル•ジャクソンやサザンの

ライブのチケットを手に入れてくれたりして役立つのですが、

とにかく見た目が悪いのです。